咳はするのも辛いですが、しているのを見るのも辛いものです。できることなら早く止めたいものです。けれども咳というのは気道内に付着した異物を排除するための生体防御反応の1つだという事を皆さんはご存じですか?よく痰がからんだ咳といわれるもので、異物を痰のなかに包み込んで排除するといったものなのですが、このタイプの咳(湿性の咳)はよほど体力の消耗がない限り止める必要はありません。これとは別に乾いた咳は体力を消耗するのはもちろんのこと、気管や肺に強い圧力がかかることで2次的な病気が引き起こされる可能性があるため積極的に止めなければなりません。
これから寒くなり人ではインフルエンザが流行り始めます。咳をするにはそれなりの原因があり、その原因がはっきりしなければ咳を止めるべきか否かの判断はできません。咳をしているから咳止め薬をもらうといった習慣は身につけたくないものです。ちゃんとおかかりの獣医さんに相談してみてくださいね!
日付けは変わりましたが。
16日、チワワの4つ子が生まれました。レントゲンでは何とか自然分娩でいけそうだったのですが、陣痛が弱くやむなく帝王切開にて無事出産しました。3?の小さな体に4匹の新しい命、大したものですよね!飼い主さんも新しい家族を迎えて大変喜んでいました。しばらくの間赤ちゃんの世話は大変ですが、がんばってくださいね!
2つ目の手術
今日はおせおせで手術(帝王切開・踵骨骨折)が入ってしまったので、Entryはお休みします。申し訳ありません。
本日は・・・
誠に勝手ながら、本日午後より法事があるため私は午前のみの診療とさせていただきます。なお、病院は開いておりますのでお薬だけの患者さんはどうぞご来院ください。明日、日曜日は通常通り診療いたしております。
説明の仕方・され方
獣医師は何もいってくれない犬猫の診断・治療をします。その診断には人であったら稟告をとれば済むことでも、検査をしなければわからないことがたくさんあります。そして病気の説明を飼い主さんにするにあたって少しでも解りやすいように行っている先生がほとんどだと思います。例えば“細菌→ばい菌”“抗生物質→ばい菌を殺す薬”など小学生でも解る言葉で説明しなければならないと教え込まれたものです。けれども転院されてくる患者さんとお話ししてみると、診断名はおろか何がどのように悪いのかという説明を受けていない方がいらっしゃいます。というよりも専門用語での説明が多いため最初は解っていたような気がしても家に帰ってみると?ということがあるようです。
犬猫を治療をするにあたっては、飼い主さんに納得をしていただいた時点からスタートできるものです。少しでも解らないことがあればしっかり説明を受けていただき、納得した上で治療を受けるべきでしょう。それがお互いにとってトラブル回避の第一歩です!
ステロイドについて
“ステロイド”という薬に対して皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか?ほとんどの方が“こわい薬”といったイメージがあるのではないでしょうか?けれどもステロイドほど用途が多様で広く使われている薬はありません。交通事故やショックを起こしているようなときにはまず第一に静脈を確保した後に使用しますし、水頭症や神経症状が強く見られたときも使用します。最近では犬猫の高齢化とともに増えている癌に対して“抗ガン剤”としても広く使用されています。皮膚病の時によく“かゆみ止めのくすりですよ!”と使われているのもステロイドのことがあります。(もちろん症状によっては使用できませんが!)
どんな薬でも使用するときの用量や期間を誤れば思わぬ副作用を招きます。“ステロイド”も使い方によっては良薬でもあり、薬害を招きやすい薬でもあります。決して“ステロイド”という薬を怖がらないでくださいね!
ニキビダニのこと
これが難治性皮膚病の原因である犬ニキビダニです。ニキビダニ症の原因は正確に解明されていないのが現実なのですが、免疫抑制や何らかの代謝性の疾患、発情や分娩、糖尿病などの疾患をもっている場合に観察されるようです。確定診断をするにはおかかりの動物病院で皮膚を掻爬(引っ掻く)することで診断することができます。
もしニキビダニが寄生してしまったら、少々辛抱強い治療が必要になります。けれども決して治らないわけではありません。がんばって治療していきましょう!!
もうすぐ・・
最近通院してくださっている患者の飼っているチワワが出産を控えています。日曜日の検診で4頭の赤ちゃんチワワがお腹のなかにいることが確認できました。(ちょっとわかりにくいかもしれませんが、赤ちゃんの頭がみえます!)写真の上では自然分娩できそうなのですが、なにぶんチワワということで私も常に待機状態です。飼い主さんは新しい家族を迎えるにあたってドキドキしていると思いますが、私は違った意味でドキドキする毎日を送っています。がんばって産んでねー!!
知らないうちに
猫のウイルス病というものは厄介である。特に母子感染(母猫の病気を子猫が引き継いでしまう)が成立してしまうケースが多く予防することすらできないことがあります。猫ウイルス性鼻気管炎・カリシウイルス感染症・猫パルボウイルス感染症・猫白血病はワクチンががあるので予防することが可能ですが、ワクチンが成立されていないウイルス病はいかに感染しないようにするかが大切で、有効な予防方法はありません。もし発症してしまった場合は症状を緩和させるような“対症療法”という方法で治療してゆくしかありません。
特におもてに出かける機会の多い猫を飼われている飼い主さん、“抗体検査”といってウイルス病に感染しているか、あるいは発症する可能性があるかどうかがわかる検査があります。少しでも体の状態を把握していれば発症を遅らせたりその症状を緩和させることも可能です。是非お受けになることをお勧めします!!
シーズンオフ!
だいぶ朝晩冷え込むようになってきました。フィラリア予防のシーズンもほとんどの地方の方が最後の月を迎えていることでしょう。けれども寒くなると“蚊も見えなくなったから今月はいいや!”と薬を飲ませなかったりしてしまう方も少なくないと思います。けれどもフィラリアの生活サイクルというものは特殊なもので、蚊に刺されたからすぐに症状が出るわけでもなく、検査で感染を検出できるわけではありません。
当院でもここ何年もフィラリアの予防をしていなかったにもかかわらず感染していなかった犬がいました。けれどもこれはほんとに“ラッキーだった”だけです。周りで犬を飼われている方の予防率が高かったということであり予防しなくても大丈夫ということではありません。あまりしつこく病院から予防薬を勧められると飼い主さんとしては不快に感じるかもしれません。けれどもフィラリアは先手を打てる病気であり、予防第一の病気です。皆さん忘れずに予防薬を飲ませてくださいね。