しばらく前でしたがちょっと気になった新聞記事があったのでEntryします。人でも動物でもサプリメントは数多くのものが市場を賑わしています。ビタミンやミネラルを補充することを目的としたものから、タイトルにもあるようにガン治療を目的としたものまでどれを選べばよいのか?というくらいです。この新聞記事のなかに【抗がんサプリ 効果不明】との見出しが付いていました。 [もっと読む…] about 抗ガン・サプリメント
normal
血液ガス
とはその名の通り血液中に溶け込んでいるガス成分のことで、血液内の酸素と二酸化炭素の割合や酸とアルカリのバランスを判断する際に非常に有効なものです。なんだか難しそうな話になってきていますが、肺でスムースに酸素の交換ができているか、さらには腎臓の機能や血液の循環の状態がどうなっているかという一般的な血液検査よりさらに踏み込んだ検査なんです。どんな時にこの検査が役に立つのかというと、例えば腎機能不全に陥った患者さんの血液ガスを測定することで、今不足している成分を把握することができ点滴に何をどの位加えれば治療をスムーズに行えるかというものなのです(腎機能不全では代謝生アシドーシスという状態にあるため、治療には重炭酸イオンを点滴に加えると良い)。今回さらなる点滴治療の向上を目指して血液ガス測定装置(写真)を導入しました。これによりストレスのかかる点滴入院の期間を少しでも短くしてあげることができればと思っています。しかしこの装置、非常に小さく“もう大きな機械は置けないよ”といった当院のような病院にはちょうど良い器械でした。
たくさんの薬は有り難い?
皆さんは病院でたくさんの薬を処方された時どのように感じますか?“有り難い”と感じる人もいれば“こんなに飲まなきゃいけないの?”と感じる人の二通りではないかと思います。自分が病気だから仕方ないと認識していれば何錠もの薬を飲むことは苦ではないかもしれません。では犬猫ではどうでしょう?おそらく私の勝手な思いこみですが、彼らは後者なのではないかと思います。けれども飼い主さんの心理としてはお薬をもらってきたことで安心できる方は結構多いのではないでしょうか? [もっと読む…] about たくさんの薬は有り難い?
blog効果
以前にも同じようなEntryをしているかと思いますが、皆さんは何を基準に病院選びをされているのでしょう?タウンページやホームページ、ご近所の方の噂など情報源はたくさんあるかと思います。実際に病院に足を運んでみたけれど“あれっ?”ということはどなたにもあることではないでしょうか?当院の話になりますが、最近ではホームページを御覧頂いてから来院していただける患者さんが増えてきました。blogを2003年の8月から始めてやっと効果が現れてきたようで、病院のスタンスや私の考え方を知っていただいてから来院していただけるので治療やインフォームドコンセントなどが速やかに進めることができるようになりました。治療するのは動物であっても、飼い主さんとのコミュニケーションがとれなければより良い治療効果を得ることは難しくなります。このblogが病院と飼い主さんの間を埋めることができる道具になるよう、これからもいろいろな視野からEntryをしていけるよう心懸けたいと思います。“そうそう”と思ってくれる人もくれない人(くれない人は次は見に来ませんよね)も、どうぞよろしくお願いします。
想像以上の力
右後肢の指が腫れているというボルゾイの飼い主さんから連絡を受けました。飼い主さんからは“指が脱臼しているような感じ”という説明を受けたのですが、脱臼を起こすような原因は思い当たらないということ。来院していただき直ぐにレントゲンを撮ってみると基節骨という骨が折れていました。飼い主さんと骨折の原因について思い当たることを聞いてみたのですが、可能性としては飛び出そうとした時にリードを強く引いたことぐらいでした。 [もっと読む…] about 想像以上の力
シーズーと尿石症
これは、先日手術をしたシーズーから取り出したものです。シーズーは尿石症の発症が多いと言われている犬種で、発症する尿石も尿酸塩であったりシュウ酸カルシウムであったりリン酸アンモニウムマグネシウムであったりと様々ですが、今回はリン酸アンモニウムマグネシウム尿石症(ストラバイト)でした。通常これだけの結石があれば頻尿や血尿のような典型的な症状が見られるのですが、この子の場合は尿をした際に小さな結石(写真右にあるような)が落ちていたことが発見につながりました。ストラバイトは尿路の感染・アルカリ性の尿・先天的な素因・食事との関連性があるといわれていますが、原因は明らかでないところもあります。ペットの排泄後、飼い主さんに注意深く観察していただくことは病気の早期発見につながります。あれっ?と思ったら動物病院にご相談を。
無影灯探し
手術の際に必要なものと言えば手術器具ですが、術野を明るく照らしてくれる無影灯もまた手術には欠かせません。現在使用しているもの(写真写りが良いようできれいに見えますが・・・)は当院を建て替えてから父が使用してきたものですから20年以上の年季が入ったものです。使えるものは大切に使用しなければと思っていますが、油が切れてきたせいもあるようでなんと言っても重い!デリケートな手術をしている際にちょっと明かりの照らす角度を変えようとするのも一苦労といった感じです。診断器機のように全ての患者さんに役立つものではありませんが、今年は無影灯が欲しいな〜なんて思っています。このようなことに関してはなかなか獣医さんからのCommentが入ってこないのですが“うちではここのを使用しているけど〜〜”といったCommentをお待ちしています。
1年でここまで違う
先日、腹腔内の停留睾丸の手術を行いました。以前にもEntryしたこともありますが停留睾丸とは陰嚢のなかに精巣が降りてこなかったものをいいます。片方の精巣が降りていても、もう片方が降りてこないケースはよく見かけます。“親犬が1年かけて降りてきたということでこの子も。”ということで1年待ってみましたがどうにも降りてこなかったため飼い主さんの希望により去勢することになりました。写真右が通常通り成長した精巣、そして左がお腹のなかで成長が止まってしまった精巣です。手術の際には通常の去勢手術よりも術創(傷)を大きくとらなければなりません。と言うのも、精巣は生後間もない時は腎臓付近に存在し成長の過程で陰嚢に降りてくるため、何処にあるのかはお腹を開けてみなければ判らないことがあるからです。お腹のなかに留まってしまった精巣は時に悪さをすることがあります。できれば早めに手術してしまうことをお勧めします。
前回のEntryについて
Commentにもあるように獣医さんより薬の個人輸入についてご指摘を受けました。確かに獣医師という立場で“同じものなら自由に薬を取り寄せて飲んだらいいでしょう”といった内容になってしまったかもしれません。あくまで紹介させてもらった薬の個人輸入は、病気が確定し体調を維持するためには薬が1日どれだけ必要で、服用にあたっての注意点・定期的な診察の必要性を理解し守っていただける患者さんに適応できるものです。私が取り寄せるにあたっては手続きなどにより高価な薬になってしまうのですが、患者さん個人が取り寄せることでコストを抑えることができ、薬を長期に使用しなければいけない負担を少なくすることができますよといった紹介のつもりでした。現在このサイトを利用している患者さんも、薬を取り寄せた際には確認のため来院してくれます。前回のEntryでは一般の飼い主さんや獣医さんにも誤解を招いてしまう内容だったことを訂正させていただきます。今後誤解を招くようなことのない様注意させて頂きます。
薬の個人輸入
病気によっては薬を手放すことができない病気があります。最近注目されているジェネリック医薬品のでも長期に必要となれば負担は大きくなりますが、ジェネリック医薬品にはないためどうしても高価なままの薬を使用せねばならない時、皆さんはどうしますか? [もっと読む…] about 薬の個人輸入