そろそろフィラリアの予防薬を飲ませようかという時期になりました。検査の必要性については4月20日のentryでお話ししていますが、今日は予防薬の種類についてお話ししたいと思います。現在主流なのは、ミルベマイシン・オキシムを主成分としているミルベマシンA錠、イベルメクチンを主成分としているカルドメック(錠あるいはチュアブル)、モキシデクチンを主成分としているモキシデックの3つの薬ではないかと思います。当院では今までの使用感や信頼性ということで、ミルベマイシンA錠とカルドメック・チュアブルを処方させて頂いております。 [もっと読む…] about どれを選びますか?
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さぞかし重かったでしょう・・・
ここのところ急にお腹が膨らみだしたというマルチーズ、レントゲンを撮ってみると下腹部に本来では観察されない大きな丸い陰が確認されました。場所的には子宮があるべき所なので子宮が腫瘍化してしまったものか?12歳という年齢もありましたが手術をしてみると、2.4kgの体の中にとても想像の付かないくらい大きく腫大した子宮が姿を現しました。麻酔から覚めたこのマルチーズ、さっぱりした様子でケージの中でくつろいでいます。(続きにはちょっとすごい写真が・・・) [もっと読む…] about さぞかし重かったでしょう・・・
手術に代わる・・・
内視鏡はあると便利な医療器具です。胃や腸の異常(潰瘍や癌など)を確認することや、誤って飲み込んでしまった異物を体にメスを入れることなく取り除くことができるすばらしい道具です。実際処置にあたってみると、手術してしまった方が麻酔をかけている時間は短くて済むことが多いのですが、体にメスを入れなくて済むというアドバンテージの方が勝っているようです。今日は体重が2キロに満たないヨーキーの内視鏡処置を行い、写真にあるような異物を無事取り出すことができました。これだけ小さな体格だと、手術をした場合最低でも2〜3日の入院は避けられませんが、内視鏡で異物を取り出すことができたので本日無事に帰ることができました。しかしながら医療器械、特に動物用のものとなる値段も高価でなかなか手が届きにくいものです。もう少し何とかならないものですかね〜。内視鏡に限らず医療器械のメーカーさん、なんとかよろしくお願いします!! [もっと読む…] about 手術に代わる・・・
上げ下げ楽々!
30キロを超えた大型犬を診察台に乗せるのもなかなか大変なものです。ダックスなどの小型犬が人気ですが、ラブラドールなどの大型犬も根強い人気があります。今回導入した診察台は床から38センチの所まで天板が上下してくれるため、なんといっても大型犬の診察が楽になりました。フットスイッチで上下させるのですが、天板に乗った犬達も上下する診察台に不思議そうな表情を見せてくれます。診察する側もされる側も、少しでもストレスのない診察を目指して!この診察台が役に立ってくれそうです。 [もっと読む…] about 上げ下げ楽々!
夜間救急病院
横浜にはタイトルにもあるように横浜市内の50数名の獣医さんの出資によって設立された夜間専門病院ができたようです。診療はあくまで夜間のみ(21:30〜5:00)。昼間の診療や予防医療は行っておらず、救急で来院された患者さんの初療および救急治療を行って翌日には主治医の診療を受けられるような診療を行ってくれるとのこと。掛かり付けの病院が24時間体制ならば良いのでしょうが、 [もっと読む…] about 夜間救急病院
猫のフィラリア症
これからのシーズン何かと犬のフィラリア症が話題になりますが、猫にもフィラリア症があることをご存じですか?実際、犬のフィラリア症のように予防・治療に対してのガイドラインが明確でないことや、認知度の低さからあまり積極的な予防をされる飼い主さんも少ないことは事実です。けれども中部地方・近畿地方特に九州地方では、あるメーカーが行った猫のフィラリア症の感染率は20%を越えるものという報告もあります。 [もっと読む…] about 猫のフィラリア症
ドクター・ハラスメント!
初めてペットを飼われた方にとっては解らないことだらけ、ましてや病気になって動物病院に駆け込んだときなどは頭の中は真っ白かと思います。あってはならないことなのですが、飼い主さんがパニックなのをいいことにこの時ばかりと必要もないような検査をしたり、治療には全く必要のないものもで売りつけて(?)退院させたりされてしまうことを耳にしたことがあります。
一般の人には解らないような専門用語だけを並べた説明(説明もしてくれないこと)や、前記しているような同意もなしに医療行為を行ってしまうことこそドクター・ハラスメント(ドクハラ)と言って良いのではないでしょうか。専門職にあるもの、万人に解るような説明・治療に従事したいものです。
アカラス治療と抗ガン剤

当院でリンパ腫を治療しているゴールデン・レトリーバーですが、癌を患っているとともにアカラス(ニキビダニ)にも感染しています。アカラス治療をされたことのある患者さんならばご存じかと思いますが、アカラスは免疫力が低下した状態を非常に好みます。ですからステロイドのような免疫力を落としてしまうような薬は使うことができません。ところがリンパ腫の治療には抗ガン剤としてステロイドを使わなくてはなりませんでした。治療開始当初はニキビダニの活性が上がり皮膚病が悪化することを懸念していましたが、抗ガン治療を開始して1ヶ月になりますがリンパ腫の方も皮膚病の方も良好な経過を辿ることができています。病気と治療法が相反してしまうものでしたが、飼い主さんもちょっと一安心した様子でした。これからも頑張っていきましょうね!
人の薬=動物の薬
動物病院で使用している薬はほとんどが人用のものだということを患者さんにお話しすると皆さんビックリされます。フィラリア予防薬のように動物専用の薬もありますが、胃薬や心臓の薬などは用量を計算し治すことで犬猫の治療に使用するにあたって全く問題ありません。そもそも人体薬として発売される前には実験動物(犬猫ではないが)によって安全性を確認しています。お薬のことで疑問に感じることがあったら気にせずにお聞きくださいね。(当院でも患者さんの負担が軽くなるよう、ジェネリック医薬品を使用しています)
フィラリアの検査
まだ肌寒い日がありますが、来月くらいからは暖かくなるのとともに蚊が発生します。となるとフィラリア予防のシーズンになるわけですが、皆さんはフィラリア予防薬を投与する前にはフィラリアの抗原検査を受けていますよね!ちょっと前までは採血した血液中にミクロフィラリア(フィラリアの子虫)がいるかいないかで検査を済ませていましたが、最近はより精度の高い抗原検査というものが一般的になってきました。
抗原検査はフィラリアに感染後6〜7ヶ月後(昨年11月まで予防薬を飲ませていた方で、もし12月に感染していたとしたら5月)に検査することでより正確な結果を得ることができます。フィラリア予防薬は感染していないことを確認してから投与するものです。昨年飲ませていたから大丈夫!といって安易に投与することは危険ですのでやめてくださいね。