今年、ノミやダニの被害にあった飼い主さんの70%位の方が“ノミダニ予防薬をつけているのにどうして?”と言われていましたが、よーく聞いてみると近所のホームセンターで購入した“〜ライン”とか“〜スポット”という予防薬だったんですね。動物病院で売っているものとホームセンターで売っているもの、何が違うかというと“動物用医薬品”であるかないかの差なのです。ホームセンターで売られているものは安いかもしれませんが、事故などが起きてしまうと問題になるため殺虫効果が非常に弱いものが主成分(効かないわけではありません)になっています。その点、動物病院で扱っているもの(動物用医薬品)では殺虫効果が強いものが使われており安全性の裏付けもしっかりしています。
“動物病院で買うと高い。”と思われている方も多いかもしれませんが、市販品から比べると効果持続期間も長いことを考えると決して高いものではないと思いますが、皆さんどう思われます?
きっかけは・・・
今日は話題になるようなネタが無かったので、私が獣医になろうと思ったきっかけをお話ししたいと思います。まず家業が動物病院だったということは大きいですね。物心ついた頃から伯父や父が診療している姿を見ていましたし、家にはかならず犬を飼っていました。学校で将来の進路は?という質問には“獣医になる。”と答えていましたし。けれども大学受験を意識する高校2年生までは理系の科目は全然ダメでした。(おかげで1年間浪人することになりましたが)
なんとか大学に合格し獣医になる道を歩き始めた頃も、ただ“家業を継がなくてはならない”といった意識ばかりが先行していたのが正直なところです。なので自分がどんな獣医さんになりたいというのも漠然としていました。
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麻酔はこわいもの?
何年か前の番組で“麻酔”というドラマがあり、手術を受けた女性が麻酔後に覚めることなく植物状態になってしまったという内容だったかと思います。人医療では大きな病院に行けば必ず“麻酔科”というものが存在し“麻酔医”という専門医がいますが、獣医医療では“麻酔医”というものはまだ存在せず麻酔のかけ方も統一されたものはありません。このためか日本の小動物医療での事故で最も多いのが“麻酔事故”のようです。
このように書いてしまうと“麻酔”が非常にこわいものと思われてしまうかもしれませんが・・・
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先手の医療
獣医の治療というのはどうしても後手の治療が主なものになります。人では自分の体調がおかしいと感じたら病院に行きますよね。けれども動物の場合は飼い主の皆さんが様子の変化に気付いてからの来院になります。症状として表れはじめたときには病状としてだいぶ進行していることが多いものです。
その点ワクチン接種やフィラリア予防薬は目に見えた効果はわかりませんが、着実に病気からペットを守ってくれています。この時期だんだん涼しくなってくるとフィラリア予防薬を飲ませるのを忘れがちな方が多いんですよね。飲ませなくてもフィラリアに感染しなかったのはホントにラッキーだったのです。まだまだ我が地元、宇都宮でもフィラリア感染犬もいますし予防されてない方もいます。フィラリアは先手が打てる治療です。お忘れなく!
健康はまずお口から
左の写真、上の写真も下の写真も同じ犬の写真なんですよ。黄色っぽく見えるものが歯石でその下にはこんなにきれいな歯があるんですね。歯石を取る方法もまちまちなのですが、当院では全身麻酔をかけ超音波のスケーラー(歯医者さんと同じもの)で隅々まで歯石を取っていきます。“麻酔をかける”というと皆さんちょっと敬遠しがちなんですが、起きているときにはなかなか口を開いたままでいてくれないペット達の歯石をきれいに取り除くためにはこの方法が一番だと思います。
最近、ペットの口臭が気になる方はちょっと口の中をのぞいてみてはいかかでしょう?歯槽膿漏になる前に一度ケアーしてあげることをお勧めします。しっかり食べないと健康な体はできませんからね!
小さな吸血鬼
今日で3連休も終わりですが、連休中ペットも一緒にお出かけになったことでしょう。旅行先や家に帰ってきてふとペットの背中をなでてみるとごま粒より小さく黒くうごめくものが・・・。そんな経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。そうこれが“ダニ”なんです。もし捕まえようとして跳ねるようなら“ノミ”です。どちらも動物の体に取り付いて血を吸う“小さな吸血鬼”の正体なんです。
さて対処法なんですが、ノミだったらお風呂に入れてしまうのが一番簡単かもしれません。お風呂にはいることでノミが溺れてしまうんですね。吸血中のダニの場合はちょっと厄介です。無理に引っ張って取り除こうとずると、がっちりと皮膚に食い込んだ牙が皮膚に残ってしまうことが多いのです。そこで台所にある食器洗い洗剤を吸血中のダニにたっぷりつけてみてください。しばらくするとダニは簡単に取ることができますよ。吸血中のダニがいたら焦らずこの方法で退治してあげてください。
新聞に掲載!
お気づきのの方もいらっしゃると思いますが、9月11日(木)の下野新聞朝刊にこのホームページが掲載されました。もし下野新聞をご購読されている方はご覧になってみてください。
【お詫び】
本来ならば本日は診察日なのですが、大学友人の結婚式のため臨時休診とさせていただきます。なお明日は通常通り診察いたします。
薬浴治療について
左の写真は“ペットのジャグジー”で紹介させていただいたジャグジー装置を設置する薬浴槽です。現時点ではまだシーズーやヨーキーしか薬浴させたことしかありませんが、少々小柄なゴールデン位なら入浴ができそうです。ちなみに浴槽の大きさは全長が100?・幅が52?・深さが41?です。
薬浴治療というと“ただのおふろでしょ?”と思われることでしょう。けれどもこれが意外と馬鹿にできないんですよ。日本は古来から火山国として温泉が多く、皆さんも行かれることがありますよね。その地方地方の温泉によって効能は違うと思いますがなかには皮膚病に効く温泉も結構あるようです。皮膚病の治療というと飲み薬の治療が中心ですが・・・
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乳腺腫瘍
雌犬を飼われている方はもしかすると遭遇してしまう可能性のある病気かと思います。すべての雌犬がこの病気になるわけではなく、避妊手術をしているとなりにくいとは言われていますがその可能性は五分五分ともいわれています。(個人的には避妊手術をしていると少ないような気がします。)
今日も乳腺腫瘍の手術を受けていたので昼休みに手術したのですが、今回の症例はなかなか大変でした。ここ半年くらいで大きくなった腫瘍自体の大きさ(11?×9?×8?)もさることながら腋窩リンパ節(脇の下にあるリンパ節のこと)にも転移が認められていたからです。リンパ節も何とか切除することができましたが術後は肺などに転移が起こらないか経過をよく観察しなければなりません。
もし体のどこかに今までにはなかったしこりができた場合、早めに病院に行かれることをお勧めします。腫瘍が小さければ傷も小さくてすみますし、何より本人の体への負担も最小限にとどめることができます。腫瘍に関しては“様子を見る前に病院へ!”ですよ。
獣医さんの休日
当院では木曜日が休診と言うことでお休みを頂いていますが、完全に休暇を取れる日ばかりではないんですよ!入院患者さんがいれば必要な治療をしなければなりませんし、獣医医療もどんどん進化していますから東京で学会があれば新しい情報を仕入れに行ったり、非常に難しい手術などは患者さんがいらっしゃらない休診日に手術をしたりと、100%仕事から離れるといったことはありません。(今日は近所の先生のところに手術のお手伝いに行ってました)自分も手に負えそうもない手術は、勤務していた横浜の病院に連れて行って手術してもらいそのまま1日病院のお手伝いをし、宇都宮に帰ってくるのが夜中なんてことは結構ありますし。
休診日の獣医さんもいろいろがんばっているんですよ。自分も患者さんに少しでも良い治療法や薬・技術を提供できるようがんばっていきます。少しでも病気のことでわからないこと、不安に思うことがあったらどんどん質問してくださいね。